| 残桜の開花宣言に誘われて散歩を楽しんでいた数日前。ポツポツと開き始めた桜の隣で、いかにも嬉しそうに風に揺れている小さな赤い蕾に目が止まりました。
こちらもソメイヨシノに続いて間もなく開花を迎えるのでしょう。ゆらゆらと心地よさげに振れているその蕾は、ぷっくりとしたふくらみを見せていて、もう弾ける寸前の様子です。
何の花かな?と思い、近くにおられた前掛け姿の年配の女性に、「この花は何かわかりますか?」と声を掛けてみました。
「ああこれね。可愛い花が咲くのよね〜」
と答えながら、名前を思い出そうとしてくれている様子。
そこへ買い物袋をさげた、やはり年配の女性が歩みよってきて、
「その花大好き。毎年たのしみにしてるの。カイドウっていうんだけど〜、ホニャララ〜」と教えてくれたのです。
この最後の「ホニャララ〜」の部分。ほんとうは、カイドウの漢字を空に指で描きながら説明してくれていたのですが、残念ながら、愚かな私には正しく伝わらなかったのです。
後で調べてみたら、正解は「海棠」。やはりちょっと難しい文字でしたが、おかげで脳細胞にしっかりインプットすることができたような気がします。
しかも、あらためて目を向けて歩いてみれば、ここにもあそこにも、いたるところにカイドウが植えられているじゃないですか。多くの人に長く親しまれている樹木だったのですね。桜だけじゃない、春の楽しみがまた一つ増えました。
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